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(2015年7月より不定期掲載)
日本と韓国の裏側で暗躍する秘密情報機関JBI…
そこに所属する、二人のダメ局員ヨタ話。
★コードネーム 《 サイゴウ 》 …仕事にうんざりの中堅。そろそろ、引退か?
☆コードネーム 《 サカモト 》 … まだ、ちょっとだけフレッシュな人だが、最近バテ気味

韓国映画の箱

(星取り評について)
(★★★★ … よくも悪くも価値ある作品)
(★★★ … とりあえずお薦め)
(★★ … 劇場で観てもまあ、いいか)
(★ … DVDレンタル他、TVで十分)
(+1/2★ … ちょっとオマケ)
(-★ … 論外)
(★?…採点不可能)

『巨人』(2014)★★ [韓国映画]

原題
『거인』
(2014)
★★
(韓国一般公開 2014年11月13日)

英語訳題名
『Set Me Free』

日本語訳題名
『巨人』

勝手に題名を付けてみました
『ヨンジェ、絶望の巨人』

kyojinn.jpg

(STORY)

離婚した親元を離れ、キリスト教系グループホームで育った高校生ヨンジェ(=チェ・ウシク)は、一見敬虔な信者に見えたが、寄進されたスニーカーを盗み、学校で売りさばく手癖の悪い少年でもあった。
高校卒業を控え、施設を出る日が近づくが、彼に将来のビジョンは無く、行く場所が見つからない。

同じ施設で暮らす高校生ポンテ(=シン・ジェハ)も同じ問題児だったが、その素行が施設を運営するチョン導師(=イ・ジェジュン)の逆鱗に触れ、追い出されてしまう。

ヨンジェにとって生活力のない父親(=キム・スヒョン)は全く頼りにならず、母親(=キム・ジェファ)は遠く離れた街で暮らしており、弟のミンジェは、まだ中学生だ。

施設を運営するチョン導師と小母(=ソ・キルジャ)も、子どもたちに対する愛情が欠如している人々で、彼らにとってヨンジェのような少年は邪魔なだけ。

聖堂に出入りしている助手神父(=パク・グンロク)に相談を持ちかけたヨンジェに興味を持ったボランティアのユンミ(=パク・ジュヒ)は、彼の力になろうとするが。

サイゴウ
「いやー、これも分かりにくい映画だった。家族から実質的に捨てられ、グループホームで育った少年が、自己のあり方を問う物語なんだけど、日本人にも共感できる部分がある反面、韓国の社会福祉と宗教団体の密接な関係が理解できていないと【なぜ、なぜ、どうして?】になってしまう。『巨人』という題名も暗喩的でピンと来ない」

サカモト
「私も観終わった後、主人公を巡る状況がよく理解できなくて、知人に色々尋ねてやっと分かった部分も多かったですね。題名については【絶望を食べ続け、自我が肥大して巨人のようになってしまった】という意味が含まれているようですが、なんだか、それも違うような印象を受けました」

サイゴウ
「映画では、オレたち外国人にとって、決して表からは見えてこないけど、韓国で暮らす人々にとっては周知の事実を背景に描いていると思うので、そこら辺が理解できないと、よくある【行き場を失った少年の悲劇】か、【身勝手韓国人のジコチュー話】みたいにも見えちゃう」

サカモト
「日本でも、家庭の問題で家族と離れて育った人たちは今も昔もいますから、我々も全く無縁ではないのですが、じゃあ、自分たちの周りにそういう境遇の人達がどの位いて、どういう思いで生きてきたか、については知らない事の方が圧倒的に多いですから、【分かりにくい】という意味では韓国だからうんぬん、ということではないと思いますけどね」

サイゴウ
「一般の韓国人も人によりきりなんだろうけど、主人公のヨンジェが育った場所がかなりキリスト教色の濃い環境なので、多くの日本人にとって、皮膚感覚で理解するのは、やっぱり難解だよ」

サカモト
「話のベースはこの作品の脚本と監督を手掛けたキム・テヨンの実体験に基づいているらしいので、ある意味、自伝なのかもしれませんけど、【どこからどこまで】というのは、確かに分かりませんね」

サイゴウ
「でも、そう考えると、観ていてなんだか分かりにくいのは、ある程度、仕方ないのかな?描いていること自体は普遍的なんだけどな」

サカモト
「【普遍的】と言えば、この作品が高く評価されている一番の理由は、やはり主演チェ・ウソクの強烈な熱演だったとは思います。でも、私にとってより印象的だったのは、映画全体から滲み出る、韓国社会に深く根を下ろしたキリスト教に対する強い不信感と絶望感でした」

サイゴウ
「韓国の一部の人達が愛国主義や民族主義、グローバリズムという名の事大主義に走ってしまう裏側には、韓国社会への【頑強な不信感】があると思うんだけど、今回の作品は、それを一少年の視線を通して描いた、と言えるかもしれない」

サカモト
「ヨンジェ自身はかなり丁寧に描かれているんですけど、彼が決して性格のいい少年ではなく、むしろ観客からは同情されつつ、嫌われることの方を重視して描いていたのでは?とも思うのですが、彼の父親だとか、グループホームを運営する夫婦もそうですし、劇中登場するカトリック関係者にしても、結構、冷たい目で描いていたと思います。私はそこに大きな不信感が感じられたのですが、それはキム・テヨン監督の韓国社会に対する想いの再現だったのかもしれません」

サイゴウ
「通常なら、キリスト教的な救済が大きな役割を担って提示されても不思議ではないんだけど、それがこの作品には希薄なんだよな。【キリスト教はあくまでも生きる上での方便、記号にしか過ぎない】みたいな割り切りと無常観がある。ヨンジェにしてもその周りの人達にしても、熱心な信者のように見えるけど、本当は信仰心なんかなくて、生き残るための習慣として、教義や福音を唱え続けているようにしか、見えなかったりもする」

サカモト
「宗教儀式に参加することがあまりにも当たり前のことなので、信者のフリを続けていることに本人たちは気がつかない、気づくことが出来ない、みたいな感じはありましたね」

サイゴウ
「キリスト教的なものが、この映画の物語にどのくらい影響しているかは残念ながらオレには、これ以上よく分からないんだけど、少なくとも登場人物たちは誰一人、信仰で救われていない。逆に、主人公は自分が宗教的な環境下で暮らしていることを利用して色々と悪さを行うワケだから、本質的にはキリスト教を信じていないんじゃないだろうか?ヨンジェが施設に寄付された物品を勝手に売買しているところなんかは、【形ばかりの信仰】をよく表している」

サカモト
「グループホームの運営を行っている夫婦らしき人たちにしても、えらく高飛車で性格が悪いですよね。家の中にはキリスト教の記号が散りばめてありますが、当人たちに優しさというものが全く感じられません」

サイゴウ
「逆に、ヨンジェのダメな父親の方が、よほど人間臭い。彼がキリスト教信者かどうかは、はっきり説明されないけど、おそらく、彼もまた何の考えもなしに帰依し、生きるためにキリスト教信者を続けている一人なんじゃないだろうか?」

サカモト
「韓国キリスト教の世俗化に危機を訴える声を、韓国で時折耳にしますが、この映画は、それが隠れたテーマだったのかもしれませんね」

サイゴウ
「そこら辺は監督に聞いてみないとわからないことではあるけど、宗教うんぬんは別にしても、日本と似て非なる韓国社会の生臭い現実と、隠蔽しようにも出来ない闇を見せつけられるような映画ではあったな」

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