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(2015年7月より不定期掲載)
日本と韓国の裏側で暗躍する秘密情報機関JBI…
そこに所属する、二人のダメ局員ヨタ話。
★コードネーム 《 サイゴウ 》 …仕事にうんざりの中堅。そろそろ、引退か?
☆コードネーム 《 サカモト 》 … まだ、ちょっとだけフレッシュな人だが、最近バテ気味

韓国映画の箱

(星取り評について)
(★★★★ … よくも悪くも価値ある作品)
(★★★ … とりあえずお薦め)
(★★ … 劇場で観てもまあ、いいか)
(★ … DVDレンタル他、TVで十分)
(+1/2★ … ちょっとオマケ)
(-★ … 論外)
(★?…採点不可能)

『モッ』(2013)★★★★ [韓国映画]

原題
(2013)
★★★★
(韓国一般公開 2014年11月20日)

英語訳題名
『Mot』

日本語訳題名
『モッ』

勝手に題名を付けてみました
『悔恨の沼』

モ1.jpg

(STORY)

大学卒業後、教師として故郷に戻ってきたヒョンミョン(=ホ・ヒュフン)。
村の日常は昔と変わらないように見えたが、地元チンピラに落ちぶれた旧友ソンピル(=カン・ボンソン)や、つまらない仕事に就いているトゥヨン(=イ・パウロ)との再会は、彼らだけが知る、ある思いを再び燃え立たせる…

…それは高校生最後の冬休みのことだった。

学年の仲良しグループであるヒョンミン、ソンピル、ゴヌ(=ピョン・スンソク)、ソンピルの妹キョンミ(=キム・ウォニ)、チンギョン(=イ・ジェヨン)らは、山の中にある“モッ”と名付けた沼の辺りで、キョンミの誕生会を兼ねた夜のパーティーを企画する。
そこは彼らだけの秘密の場所であり、なぜ沼があるか、誰も知らない。

夜、バーベキューに花火大会と、楽しいひと時を過ごすが、ヒョンミンはふとしたことから、ゴヌとキョンミがソンピルに秘密で付き合っていることを知る。

一旦ゴヌとキョンミは村に戻り、そこで互いの気持ちを確かめ合った後、“モッ”へ戻ろうとするが、ゴヌの不注意で二人のバイクは橋から転落し、キョンミは命を落としてしまう。

事故後、気が収まらないソンピルは、ヒョンミョンらとゴヌを“モッ”へ連れ出し、責め立てるが、ゴヌは沼に浮かんだキョンミの遺品を拾おうとして溺れてしまう。
だが、ヒョンミンたちはゴヌを助けなかった。

村でゴヌは行方不明扱いとなるが、真相を知るヒョンミンたちに待っていたのは、悔恨と絶望の日々だった…

一時の激情が招いた親友の死。
それを誰にも打ち明けることが出来ない無限地獄を鮮烈に描く。

サイゴウ
「地味で暗くて陰鬱で、救いも何もない悲惨な青春群像なんだけど、地に足がついた演出ぶりと冴えた映像美、そして好キャストの秀作だと思う。特に映像の構図とロケーションの良さは、この手の作品として飛び抜けていた」

サカモト
「最初はよくある【田舎の不良物】みたいですけど、自伝的な空気をところどころに感じる、真面目系のいい映画でしたね。若手の低予算インディーズって、おちゃらけか、糞真面目の両極端に分かれがちで、うんざりすることがよくありますが、今回の『モッ』はそういった嫌らしさを感じません。ソ・ホビン監督の誠実さみたいなものが非常に感じられました」

サイゴウ
「地方の絶望を描いているようでもあり、コネ無し、学歴なしの悲惨な青春を訴えているように見えなくもないが、舞台も登場人物も、等身大でリアルだ。よくあるネタかもしれないけど、そこに解決の糸口が決して見えないサスペンス的状況をうまく絡めることで、物語が終わっても主人公たちが一生トラウマを抱えて生きてゆかざるをえない姿を丁寧に描写している。ラストは賛否両論あるだろうけど、あれもまた【よし】だと思う。無理に決着をつけても、この手の話はろくなことにならないだろうしな」

サカモト
「地方出身者の閉塞ぶり、絶望感って、昔から韓国では愚痴混じりに聞かされますし、青春映画の一ジャンルみたいな部分もありますね」

サイゴウ
「なんでも地方がダメ、というワケじゃなんだろうけど、やっぱり、地方が疲弊した中央集権の時代が長いから、その影響が今だ濃いんだろうな。ソウルからちょっと出ただけで、本当に人影の無い田舎が広がっている。国土が狭い分、商売的には自動車使えばなんとかなる部分もあるんだろうけど、青少年にとっては、故郷を捨てるつもりじゃないと、やっぱりそこで【人生終わり】みたいな絶望感があるんだろう」

サカモト
「かといって、上京しても誰でも彼でもソウルに集まってしまうので、有能でもコネ無し、金無しはホント、きついと思います」

サイゴウ
「故郷に残っても、田舎だから【のんきでOK】では済まされないだろうし…」

サカモト
「この映画の悲劇性は、やはり、登場人物たちが狭い共同体の仲良しグループだった、ってことにあると思います。だから、恋愛その他で秘密を抱えても、互いが自制しているので大きな問題にはならない。でも、その閉鎖的な仲良し関係ゆえ、一旦取り返しのつかない事件が起きてしまうと、あっという間に亀裂が入ってしまいますし、他人に相談できないままで、一生秘密を抱えて生きてゆかなくてはならない」

サイゴウ
「劇中起こる出来事は、事件というよりも事故だから、なんで早く大人に相談しなかったんだよ、みたいな疑問も感じたけど、あの年齢の頃って、やっぱり、ああかもしれないな、とは後から考えたよ。男女関係も、ことをややこしくしていたしな」

サカモト
「第三者に解決の糸口を求めることが出来なかった悲劇は、狭い村社会ならでは、みたいな部分もあるでしょうね」

サイゴウ
「この手の物語は、主人公たちが成人した後、何人かは都会に出て成功していて…というパターンになるんだけど、そうじゃないところもいい。街を出て行った連中は他人でしかなく、脱出できなかった者だけが、延々とトラウマに苦しめられ続ける様子は、辛いよな。しかも、彼らだって夢や希望はあるんだろうけど、そういうものとは全く無縁のつまらない仕事に日々、身を費やさなくてはならないから、閉塞感ばかりが漂っている」

サカモト
「主人公のヒョンミョンは街を出た出世頭ですけど、故郷に教師として帰って来たばっかりに、嫌な過去を再び蒸し返すことになってしまいます。でも、彼が戻って来た理由には、やはり過去と決着をつけなくてはならないという意識が働いたとも解釈できると思います」

サイゴウ
「彼の帰郷は、【故郷の呪縛】だったんじゃないか?街を出ることが出来ないのも【呪い】であり、戻ってきてしまうのも【呪い】。そして、それを全て結びつける象徴であり儀式だったのが、高校時代の事件だったという…」

サカモト
「ヒョンビンが兵役前に出演した『私は幸せです』も、この『モッ』と非常によく似た背景の作品でしたね。最近のインディーズですと『개들의전쟁(犬たちの戦争)』もそうです。ただ、『モッ』がより悲惨な展開なのは、昔からの仲間がトラウマを深める要因になっていることでしょうか?」

サイゴウ
「ソ・ホビン監督は基本的には人間を信じているとは思ったけど、同時に、頼りにならない存在として突き放している感じもしたな。かなりのペシミストなのかもしれない」

サカモト
「キャステングも非常に良かったと思います」

サイゴウ
「かなり地味だし、決して上手いワケじゃないんだけど、みんな個性がはっきりしていて、それが各人の独特な演技に繋がっていたと思う。ヒョンミョン演じたホ・ヒュフンなんて、若いんだか老けてるんだか、よく分からないルックスだし、始終無表情、劇中ほとんど動かない印象があるんだけど、その得体の知れなさが逆にいい。大根役者に見えつつ、そうでもない、って感じかな?」

サカモト
「ソンピル役のキム・ボンソンは『足球王』にも出ていますが、まるで別人。『足球王』の時は素人かと思ったんですけど、『モッ』では予想外の多彩な面を見せてくれます」

サイゴウ
「同じ俳優だなんて、全然気が付かなかったからな。後でスチールを観て、初めて気がついたくらい」

サカモト
「『啐啄同時(줄탁동시)』で大変な名演を見せたイ・パウロも出ているのですけど、イメージが随分変わってしまっているので、気が付きませんでしたよ」

サイゴウ
「今後、この中で誰が出世するか、楽しみだよな。この『モッ』は総じて地味で暗く、人によってはかなり不愉快な映画かもしれないけど、2014年に公開されたインディーズ作品の中では、最も注目すべき一本だったと思うよ」


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