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(2015年7月より不定期掲載)
日本と韓国の裏側で暗躍する秘密情報機関JBI…
そこに所属する、二人のダメ局員ヨタ話。
★コードネーム 《 サイゴウ 》 …仕事にうんざりの中堅。そろそろ、引退か?
☆コードネーム 《 サカモト 》 … まだ、ちょっとだけフレッシュな人だが、最近バテ気味

韓国映画の箱

(星取り評について)
(★★★★ … よくも悪くも価値ある作品)
(★★★ … とりあえずお薦め)
(★★ … 劇場で観てもまあ、いいか)
(★ … DVDレンタル他、TVで十分)
(+1/2★ … ちょっとオマケ)
(-★ … 論外)
(★?…採点不可能)

『ミヌさんが帰ってくる日』(2014)★★★+1/2★ [韓国映画]

原題
『민우씨 오는 날』
(2014)
★★★+1/2★
(韓国一般公開 2014年12月18日)

英語訳題名
『Awaiting』

日本語訳題名
『ミヌさんが帰ってくる日』

minu2.jpg
製作:(주)빅픽쳐/配給:미로비젼

(STORY)
ヨンヒ(=ムン・ジェウォン)は、ソウル江北の旧市街地にある古い家で、たった独り、暮らしている。
家の中にはスケジュールと備忘録が貼られ、毎日が規則正しい生活だ。

そんな彼女はいつも、恋人ミヌ(=コ・ス)の帰りを待っている。
毎日、彼の好きな献立で食事を作り、背広にアイロンを掛け、何を話そうかと考えながら一日を過ごす繰り返しだったが、いくら待ってもミヌは帰って来ない。

あの日の朝、仕事へ出かけたまま…

そんな彼女の元へ、ある僥倖がもたらされるが。

過去の記憶に閉じ込められたまま、今を漂泊し続ける一人の女性を通して描く、南北分断の悲劇。

サイゴウ
「最初、この映画の監督がカン・ジェギュだって聞いて、ちょっと驚いたんだけど、蓋を開けたら28分の短編だった」

サカモト
「『マイ・ウェイ』の失敗で、当分韓国映画界復帰は無理だろう、みたいな印象はありましたからね(※)。まあ、今回は中国系資本のようですが…」
(※)日本でも上映された長編『チャンス商会(장수상회)』は、2015年4月9日に韓国で一般公開された。

サイゴウ
「でも、個人的には嬉しいよ。カン・ジェギュの【銭集めマジック】がまた炸裂したのかもしれないが、何んやかんや言われても、不死鳥のごとく作品を携えて復活する姿は、凄いと思うし、これって、日本のクリエイターに最も欠けている部分かもしれないな」

サカモト
「そこがまた、日本と韓国の文化の差異でもあるのでしょうけどね。でも、カン・ジェギュ一派は、独立独歩でここまで傑作や大作をヒットさせて来た存在ですから、やっぱり、世間が彼らを捨て置かなかったのは当然でしょう」

サイゴウ
「カン・ジェギュの作品や、そのやり方を口汚く罵って否定する人たちが韓国にいるのは事実だけど、やっぱり、その功績は韓国映画の歴史、いや汎アジア映画史から絶対消せないものだ。日本では『シュリ』の印象ばかりが先走りしているかもしれないけど、彼の持っている普遍的な映画の才能と強運ぶりは、やはり只者ではない」

サカモト
「なぜ、カン・ジェギュの作品が低い評価ばかり受けるかについては、ちょっと、不公平な部分が昔からありますよね。韓国映画界では、とびきりの成り上がりですから、やはり、同業者の妬みと僻みが、低い評価の根底にあるのは否定出来ないと思います」

サイゴウ
「カン・ジェギュとその仲間って一時期、そういう韓国映画界を牛耳る古い一派に対して、【反旗を翻そうとしたんじゃないの?】みたいな勢いがあったしな」

サカモト
「『シュリ』の大ヒット以降、映画製作のみならず、映画館にケーブルTV局の経営と、韓国の映像業界では、ちょっとした新興勢力になりかけていましたからね」

サイゴウ
「ハリウッドで言えば、『スターウォーズ』以降のジョージ・ルーカスの位置に、当時は近かったのかもしれないな。でも、その攻撃的な独立独歩の姿勢が、韓国内で反感も買い、結果、足を引っ張ってしまったきらいがあったと思う。『シュリ』と『ブラザーフット』の成功って、実は韓国映画界の保守勢力を、かなり敵に廻したんじゃないか?と思うんだよ。だから、カン・ジェギュのその後って、試行錯誤と失敗を繰り返した挙句、優先順位が高いとは思えない『マイ・ウェイ』を、鳴り物入りの大作として撮らざるをえなくなってしまったんじゃないのか??『マイウェイ』って本当は、カン・ジェギュのアメリカ進出が失敗して、ビジネス的にどん詰まりになった結果じゃないかと、オレは考えているんだけどな」

サカモト
「『マイ・ウェイ』は、日本資本を味方にするための露骨な【方便】みたいな企画でしたからね。でも、日本側を味方にすることは出来なかった…」

サイゴウ
「そして最後に残ったのは、中国系資本だった、というワケかな?まあ、これはオレたちの【妄想分析】だけど、実際、カン・ジェギュ組は以前から中国と関係があったからね。でも、今回のような【落ち穂拾い】な短編であっても、カン・ジェギュが新作を抱えて復活したことをオレは純粋に喜びたいと思う」

サカモト
「今回の作品は『シュリ』に通じる、【南北分断】の悲劇を描いていますけど、自分たちの歴史に対するこだわりという点で、カン・ジェギュらしいブレのない秀作だったと思います」

サイゴウ
「【また、このネタ?】みたいな疑問を投げかける向きもあったとは思うけど、韓国でも急速に忘却の淵に追いやられようとしている離散家族の問題を、こうやって丁寧に描くことが出来る大物クリエイターって、今じゃ彼くらいだろ?個人的にはこうした問題に関心を持って心を痛めていても、それを映画にしようとすれば【企画が通らない→企画を持ち込んだクリエイターが仕事を干されちゃう→イエスマンの新人監督使い捨て】という悪循環を助長させるだけだったりする。だから、カン・ジェギュ自身がクリエイターとしてブレなく新作を発表するには、今回のようなやり方は仕方が無いとも言える」

サカモト
「映画の構成は、現代と過去をダブらせながら描くという、ちょっと凝った構成になっていますが、演出が明確なので混乱することはありません」

サイゴウ
「人間が歳を取るということは、この映画で描かれた通りだと思うよ。世の中は変わり、自分は老いても思い出は変わらない。だから、知らぬ間に現実について行くことができない…そこに南北分断問題を絡めて描いているワケなんだけど、自分が歳を取る度に切実な現実として立ちはだかってくるよな。カン・ジェギュ自身が感じている【老い】を描いたのかもしれない」

サカモト
「主人公が過去と現実があやふやなまま、行方不明の恋人に会う為、第三者に連れられて38度線に向かったものの、政治的な事情でそれが阻まれてしまう。ですが、現実と過去の区別があやふやになっている彼女にとってそれは【なぜ?どうして?】という不条理以外の何者でもありません。強引に38度線を越えようとする彼女をみんなが押さえつけて、ミヌの為に作った手弁当が飛び散るシーンは本当に悲しいです。弁当を作るプロセスを丁寧に描いているので、なおさら」

サイゴウ
「【韓国的ドラマツルギーのパターン】と言えばそれまでなんだけど、そのワンパターンな映画的定石を、いつも、さり気なく上手く使っているんなんだよな。そこら辺がやはりカン・ジェギュの卓抜した部分だ。これを馬鹿にする映画ファンもいるだろうけど、【基本に忠実】という意味で、カン・ジェギュ作品はいつも見習う点が多いと思うよ」

サカモト
「コ・スが本当にちょっとだけ出ていますが、ヒロインよりもインパクトがありました」

サイゴウ
「当時の【ダンディズム】みたいなものが良く出たキャラだったよな。そこら辺も、やっぱりカン・ジェギュの上手さだな」

サカモト
「対照的にヒロインのヨニ演じたムン・チェウォンの影が薄いのですが、これもまた、計算の上でのことなんでしょうねぇ」

サイゴウ
「彼女が演じるヨニは、儚い幻影であって、実際は存在しない影のようなものなのだろうな」

サカモト
「今回の作品は30分に満たない短編ですが、カン・ジェギュが一貫して追求している【韓国の歴史】という一テーマが濃縮された秀作だったと思います」

サイゴウ
「短いといっても、かなり贅沢な作り。おそらく無名インディーズなら何本か作れちゃうくらいの製作費は掛かっているので、決して侮らないように…」



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